この半年間、能登半島・新潟と大きな地震が続き、
小型に至っては数え切れないほど・・・・。
週刊誌などでも「イザという時にこれだけは用意!」と、
防災グッズの掲載が目につく。
巨大地震発生の時に、もし地下鉄に乗っていたら?
自動車に乗って移動中だったら?・・・と、誰でも不安がつきないだろう。
私の目下の心配は、
「歌舞伎座にいたら、果たして脱出できるのだろうか?」なのである。
戦争中に空襲で焼けた歌舞伎座は、
昭和26年に再建されたが、その後も増改築している。
マックス2000人強まで収容できる巨大劇場だ。
普通の劇場と異なり、2階席・3階席も多く、
地震の際の倒壊・落下の危険が大きい。
さらに人気演目の時は,
4階の幕身席(天井桟敷)の欄干に人がすずなりに群れ、
普段ですら桟敷ごと下に落ちてしまうのではと心配するくらい、
観客が入ることがある。
建築法上、限界すれすれと思うし、
しかも築50年以上たっているので、
「2,3年後には建替えないと、巨大地震の時に危険」と、
以前から言われている。
そして先日、ついに恐れていた事態がやってきた。
8月18日(土)午後1時40分頃、納涼歌舞伎を観劇中、
突然3階席がユサユサと揺れた。
(帰宅後調べたら、中央区あたりでは震度1だったそうだ。)
3階の観客達は口々に「地震だ」と顔を見合わせ、騒然となる。
私はいつも「3階東袖の端」に座っている。
東袖とは分かりやすくいうと、
舞台に向かって右側の壁際に2列張り出された座席だ。
そこは料金が安くて、しかも花道が見えるおトクな席で、
毎月先行予約でしか買えない。
舞台を見ると、女形の中村福助さんが優雅に踊っていた。
まるで地震に気づかないかのように踊る彼の上に、
はらはらと紙ふぶきが舞い、
その紙片は照明のせいで、金色にキラキラ輝いていた!
なんという心憎い演出か!と思っていたら、
それは舞台の上のホコリだった。
トホホ・・・。
役者は小屋(劇場)が倒壊するまで踊り続けるのかと、
一瞬思いながら、舞台を見続けた。

