
道頓堀中央に、ひときわ目をひくのは「動くかに道楽」の看板。
海鮮料理専門店で、往来を歩く通行人向けにかに寿司や、
かに弁当なども販売している。
「大阪松竹座」斜め前にあるため、劇場内の食事に購入する人も多い。
味はまあまあだが、値段のわりに量が少なめかな。
「中で人が自転車で必死に漕いで動かしている」という言い伝えがあるが、
それは真っ赤なウソ。
でも奇怪なカニの手足の動きを見ると「さもありなん」とつい思ってしまう。
2003年の阪神タイガース優勝騒ぎで、
暴徒化したファンがカニ看板によじ登り、目玉をもぎ取られて、
阪神タイガースの旗が刺される事件があった。
阪神タイガース優勝には、道頓堀川に飛び込む人が後を絶たず、
「カーネルおじさんの呪い」(※)やら「くいだおれ人形の受難」とか騒動がつきもので、
良くも悪くも派手ではっちゃけた大阪人気質を感じさせる。
※ 1985年の優勝時は、ケンタッキーフライドチキンのマスコット人形が
道頓堀川に投げ込まれたり、隠されたりした。
怒ったカーネル・サンダースが、
その後18年間阪神タイガースを優勝させなかったという
冗談のような都市伝説というか、笑い話。
往来を歩くと蛇や魚の極彩色の看板が目立ち、
「極楽戎神社」など人目を引くパブリシティが多い。
また客寄せのため、サンドイッチマンよろしく旗を持つ人もいる。
土産物店では「おおきに」「ほな、またね」等など早口の大阪弁が飛び交う。
路上にはせかせか歩く人や、
大袈裟なジェスチャーでガナリたてている人を見かける。
たかだか500m前後の道頓堀の街並だが、都市の喧騒と猥雑さが同居し、
日本一「けったいな街だ」と、私は思っている。

次回は、道頓堀の裏にある「法善横丁の静けさ」をご紹介します。